映画館


鑑賞作品 ルビー&カンタン

O:おかしかったなあ。
K:結構笑えたね。
O:七十年代あたりのコメディー観てるようだった。
K:ロード・ムービーでもあるよね。これは。
O:何にも考えないで楽しめた。アクションは充分モダンだしな。コメディーやるとジャン・レノよりドパルデューのほうが巧いな、やっぱり。
K:ジャン・レノは登場するだけで画面が引き締まる。それだけ認知されたんだろうね。そこから間抜けな表情に変化していくのも面白いしね。でも、笑えたけど、ちょっと僕には物足りなかったな。
O:含みがないからかね?
K:そういうことだと思う。ロード・ムービーってことで言えば『ミッドナイト・ラン』を越えられないね。あれもコメディーで、かなり笑ったけどね、そこにペーソスが加わってるから。
O:『ルビー&カンタン』は設定でペーソスはあるんだよ。あとは観た人が想像して下さいってとこだ。徹底的に削ってるんだよ。
K:ジャン・レノは平気で殺人を犯すような男なのに、女には弱くてロマンチストな部分があったよね。あそこ、もっと掘り下げて欲しかった。ドパルデューにしてもさ、あそこまでアホなのは尋常じゃないよね。何か幼少に経験があったとかさ。そういう背景が欲しかった。
O:そこまで見せないのがフランスのコメディーなんだよ。『八日目』だってあれだけ重いテーマをコメディーを交えて爽快に描いたからな。おい、そういえばあれもロードムービーだったな。
K:あれはもっともっと深かったよ。だって本物のダウン症の人が演じてるんだよ。やっぱり僕はね、どれだけドタバタのコメディーでも、どこかホロッとさせるような部分があったほうがいいと思う。それが人間を描くということだから。
O:いや、こういう『ルビー&カンタン』みたいな映画も必要だぜ。何にも考えないでただ笑うだけ。みんな毎日生きてるだけで辛いんだから、映画みたいな作り物の中でまで辛いのは観たくないって時があるんだよ。含みのないコメディーを観てリフレッシュすることも必要だぜ。
K:それにしてもドパルデューは、こういうアホというか、素朴な人間の役が巧いよね。『グリーン・カード』思い出したなあ。あの純朴さを見てると、自分がチマチマした矮小な人間に思えることがあるね。
O:そういうときは運動するといい。
K:そういうもんかなあ。
O:そうそう。身体動かしてスカッとして、それでもっと映画観に行こうぜ。
K:あなたもそういうところあるね。純朴なところ。

 参考資料
 GAGA COMMUNICATIONS『ルビー&カンタン』仏/2003年 監督/フランシス・ヴェベール 主演/ジェラール・ドパルデュー、ジャン・レノ
 UNIVERSAL『ミッドナイト・ラン』米/1988年 監督/マーティン・ブレスト 主演/ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディン
 PAN EUROPEAN PRODUCTION『八日目』仏・ベルギー/1996年 監督/ジャコ・ヴァン・ドルマル 主演/ダニエル・オートゥイユ、パスカル・デュケンヌ
 TOUCHSTONEPICTURS『グリーン・カード』米/1990年 監督/ピーター・ウィアー 主演/ジェラール・ドパルデュー、アンディ・マクドウェル



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