ここで食する!


新宿『エール・ブラン・サービス』 続き


 日中はサラリーマンやOLがランチと喫茶を目当てにやって来る。夜には食事をしに来る人、飲みに来る人、あるいは食後のコーヒーとデザートを求めてやって来る人と様々。まさにラウンジ的な使い方をされている。酒の種類も多いから飲みメインの常連さんもいるという。
 スタッフの接客態度が小気味良かった。店長に尋ねると「過ぎず、かつ不足せず」という空気のようなサービスを心掛けているとのこと。店名のエール・ブランには白い空気という意味もある。ハード面からソフト面まできちっとコーディネイトされている。
 面白いのは、客が食事を終えて帰るときの符丁だ。「〜番様、フライトです」と言うのだ。これは「お会計です」とぶっきらぼうに言うのを避けるためと、お客様はこのエール・ブラン・サービスを起点として様々な場所へ出発していく、という意味を込めて作ったそうだ。スタッフはみんな充分に使い込んでいる言葉だから、やはり空気のように聞き流してしまうほど違和感がない。
 取材前にランチを食べているときのこと。喉が渇いていたので、セットのヨーグルトドリンクに口をつけずにシャンパンを飲んでいた。すると一人のスタッフが声を掛けてくれた「こちらのドリンクはお口に合いませんでしょうか? もしよろしければ他のものをお持ちしますが・・・」。昨今、こういうことを訊いてくれる店は少ないと思う。忙しない新宿の中にある、貴重なスペースだ。


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