映画館


鑑賞作品 ぼくは怖くない


O:どうだったい?
K:5.9、5.9、5.9、5.9・・・。ほぼ満点。いい映画だったなあ。
O:うん、非常に面白かった。何というか、全てにおいて品質が高いよな。脚本、映像、音楽、演技。
K:落ち着いて考えてみると、これはかなり緊迫したサスペンスものだよね。そのストーリーのうえに、広大な麦畑の映像。子供の視点のカメラワークとか台詞とか。そっちはゆる〜いくらいに叙情感たっぷり。このバランスがスゴイね。
O:子供の頃こうやって遊んでたなって想い出させてくれた。
K:狭い交友関係の中でも裏切りがあったり、仲直りがあったり。子供の無邪気な残酷さなんかもちゃんと撮ってたね。そういえばOさ、途中で爆笑してただろ? あそこおかしかったなあ。あなたの笑いにつられて周りも笑ってたよ。
O:ああ、あそこな! 笑ったなあ! いやあ、本当に文句つけるところがないんだよ、この作品。おかしい、きれい、悲しい、ビックリと、あらゆる要素が詰まってる。
K:ずいぶん幼稚な表現ですな。
O:これは単純なストーリーなんだよ。しかし意外性がある。ショッキングな映像もある。そしてラストの圧巻なこと。これぞまさに映画、って終わり方。ネタバレしないように言わないけど、ある意味で映画はこうあるべき、っていう結末だった。
K:『ニュー・シネマ・パラダイス』以来の出来映えだったんじゃないかな。内容は全然違うけどね。こっちはスピード感のある娯楽作品だから。
O:深く感動するとかいう作品じゃないからな。
K:そういえばどこかで“これはイタリア版『スタンド・バイ・ミー』”っていう評価をしてたね。褒め言葉なんだろうけど、こっちのほうがずっといいね。
O:この作品で特筆すべきなのは、ハリウッドが一番得意と自負する、緊迫感のある展開やら映像を簡単にやってみせたところだ。観客が椅子から飛び上がったところ、何回かあったもんな。しかしそれは演出の手段の一つであって、ベースはあくまでも感受性の強い少年を描いているわけだ。仲間が遊んでいるところから何となく離れて考え事をしているシーンとか、大人と正義との板挟みになったときの悩んだ姿とか、巧いよなあ。
K:あの悩んでるところでさ、「何を考えてるの?」って訊かれたときにぼそっと、「悲しいことなんだ」って言うシーンあったね。あれ、良かったな。
O:木訥な台詞がいいんだな。
K:単館ロードショウっていうの、もったいないよね。結局ハリウッドのお涙頂戴SFX満載の作品が売れてるってことなんだねえ。
O:でも本当にいい映画ってのは、誰が観てもいいと思うよ。俺の子供だってヒカリアンとかアンパンマンしか知らなかったけどな、『モダンタイムス』観せたらいたくお気に召したぜ。『サウンド・オブ・ミュージック』も大はしゃぎだった。一緒になって歌ったもんだ。
K:僕たちももっともっといい映画を観たいね。

 参考作品
 CAPITOLFILM『ぼくは怖くない』伊/2003年 監督/ガブリエーレ・サルヴァトース 主演/ジュゼッペ・クリスティアーノ、M・ディ・ピエッロ
 『ニュー・シネマ・パラダイス』伊・仏/1989年 監督/ジュゼッペ・トルナトーレ 主演/フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン
 コロンビア『スタンド・バイ・ミー』米/1986年 監督/ロブ・ライナー 主演/リヴァー・フェニックス、キーファー・サザーランド
 UNITEDARTISTS『モダン・タイムス』米/1938年 監督/チャールズ・チャップリン 主演/チャーリー・チャップリン、ポーレット・ゴダード
 Enterprises『サウンド・オブ・ミュージック』米/1965年 監督/ロバート・ワイズ 主演 ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマー


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